新刊情報 – ページ 2

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深雪晴

【オリジナル句集】
句集/深雪晴
著者/伊藤幹哲
判型/四六判並製/カバー装
価格/1800円(税抜き)

白日へまばゆき鷹を放ちけり

どの句も季語の輪郭が鮮明である。拡張の中にしっかりと景が生きている。鷹のごとくさらなる飛翔を志す本格派の新人の句集である。

涼野海音
横顔

【令和俳人叢書】
句集/横顔
著者/須田眞里子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

横顔というふは正直夜の秋

ご主人の横顔を覗いた時のふとした思いであろうか。「横顔といふは正直」という発見と、「夜の秋」と置かれた季語とのバランスに無理がなく、読み手に素直に伝わって来る。

髙橋健文
花の坂

【俳句作家選集】
句集/花の坂
著者/新開英毅
判型/四六判上製/カバー装
価格/2600円(税抜き)

咲くもよし散るもまたよし花の坂

私どもの希求する「自然(しぜん)即自然(じねん)」である、あるがままの無為無欲の境地そのものであろう。しかし、それだけでは済まない、例えば冬木が一切のものを放ち切ったような清々しさを見、堂々とした歩調がこの句より想像される。

谷中隆子(「序」より)
手毬の子

【オリジナル句集】
句集/手毬の子
著者/坂本ふく子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

知らぬ世をすらすら唄ひ手毬の子

坂本ふく子さんの俳句は生活から生まれ出ている。日々の生活、家族をいつくしむ心が俳句に溢れている。気取ることのない普段着の言葉で対象物を的確に表現している。俳句の本来持っている素朴さにあふれた作品である。
墓よりも高き子となり墓洗ふ
おほたかは母訪ふしるし古暦
塩鮭を捧げ持ちきて婿となる
母のもの子のもの縫ひし針祀る
これらの句には坂本さんの優しさがにじみ出ている。人と為りそのものが俳句の魅力となっているのである。俳句に親しんで三十年余。見事な句集として昇華された。

依田善朗
牽牛花

【オリジナル句集】
句集/牽牛花
著者/安永一孝
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

先生の寂あるこゑや牽牛花

句集『牽牛花』は、安永一孝さんの日々の感慨、日々の風景などが一句一句となって生の日の記憶の一集をなしている。言葉に無理がなく無駄がなく、どの句にも相槌を打ちたくなる。

宇多喜代子
夕焼空

【俳句ライブラリー】
句集/夕焼空
著者/本田巖
判型/四六判並製/カバー装
価格/2100円(税抜き)

束ねては光で締める今年藁

本田巖さんを地熱のような人であると思っている。この句を思うたびに稲の匂い、土の香りにときめいてしまう。収穫の充実と、秋の晴れ晴れとした空を仰ぐこころだ。

鈴木章和