新刊情報

紙風船

【その他】
句集/紙風船
著者/高橋栄美子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

紙風船ころがってゐる仏間かな

息を吹きかけ、打てばふわっと浮く身体的感覚と、身近な仏を祀っている部屋との対照の中に、受け継がれてきた生命が貫流している。落ちてきたら、もっと高く打ち上げようとする構図がその根本に窺うことができる。もっとしなやかに大らかに豊かに生きようとすることばが、明るく強く脈打っている。

田中俊廣
曳舟

【オリジナル句集】
句集/曳舟
著者/衛藤梢月
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

夏雲の島にかかりて小半日

平成十七年に句集『春の雪』を上梓して以来、引き続き『夏爐』誌上で古田紀一師の選を受けている。今後も、蕪城師から続く伝統の一端を守ってゆきたい。

「あとがき」より
烏瓜

【オリジナル句集】
句集/烏瓜
著者/竹鼻瑠璃男
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

烏瓜目鼻描かば考ならむ

『烏瓜』は、『雪量計』『つがる』『ななかまど』に続く第四句集である。 句集名は、『烏瓜』とした。烏瓜は、地球の重力に耐え抜き、これに抗して必死にしがみついて生きているその姿が、現在の己の心根に類似を感じて共感したからである。

「あとがき」より
梨花

【オリジナル句集】
句集/梨花
著者/矢萩 ゆたか
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

父母の開きし山地梨の花

月例俳句会や吟行会また、各種俳句大会に参加し二十余年が過ぎました。勉強するうちに、多数の俳友も出来、文芸はいかにあるべきか、人間の生き方、心の持ち方を考えさせられるようになりました。

「あとがき」より
米寿

【その他】
句集/米寿
著者/神戸 道
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

粥占の神事の祝詞いと短か

権威に抗するリベラルな考えが伝わる達意の文章だった。半世紀前の授業が社会人生徒の心を鷲づかみにしたのは、この清廉な思想からのものだったと思い当たった。今回の新しいエッセイ集もその流れを伝えているだろう事は疑いない。

中田重顕(「序文に代えて」より)
桃子先生、俳句ここを教えて!

【その他】
句集/桃子先生、俳句ここを教えて!
著者/辻 桃子
判型/四六判並製/カバー装
価格/1200円(税抜き)

ライバルと差をつける必読の一冊

本書は、二〇〇九年から二〇十六年までの八年間、「童子」誌に連載された「初心者講座・ここが知りたい」を改稿、加筆したものです。当初の目的は、俳句を始めて間もない人のために、具体的に俳句の作り方の疑問に答えようとしたものでした。毎回のテーマは、私が参加するいろいろな句会で寄せられた質問や、私自身が疑問に感じたことが元になっています。辻桃子先生のご回答は、具体的に実例を示して説明してくださるばかりか、俳人としての有り様や人としての生き方にまで及びました。「鐘は強く打てば大きく響き、弱く打てば小さく響く」のとおり、花子さん、月子さん、雪子さんのそれぞれの質問の深さに応じて、味わい深い答えが返ってきたのです。

増田真麻(「疑問に答えていただいて」より)