新刊情報 – ページ 2

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暮し掬ひて

【その他】
句集/暮し掬ひて
著者/山下厚子
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

丁寧に日々の暮しを掬ひては日記代りの歌詠み継がむ

生前、夫は私の短歌や俳句を手作りの本にしたいと言い出し、製本関係の書物を読んでは表紙用の紙、印刷用紙等とあれこれ買い集めたりしていたが、その思いを実現出来ぬまま旅立ってしまった。積まれたままの材料を目にするたびに、何とかしなくては・・・という思いに駆られるようになった。八十路を歩み出した身にはかなりの重荷ではあるが、夫の思いを形にしようと思い立った。

「あとがき」より
雁渡

【オリジナル句集】
句集/雁渡
著者/久川久枝
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

雁渡し身の節節に音を生む

久枝さんは若々しい句を詠まれて周囲を感嘆させることがあります。俳諧味をこなして、肩肘を張らない作風は万物への思いやりが厚く、あたたかい個性を思わせます。

古賀雪江
風韻

【オリジナル句集】
句集/風韻
著者/大井東一路
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

燃ゆるもの欲し冬空を朱く塗り

「冬空を朱く塗り」と続けたところが東一路さんらしい。「朱く塗り」が生への意気込みを感じさせ、作者の前向きの人生態度を思わせる。90歳を越えた今、東一路さんは何に情熱を注ぎ込むのだろう。俳句だと思う。

大串 章
不思議の国

【俳句ライブラリー】
句集/不思議の国
著者/萩山栄一
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

太陽の最期の色で柿落ちる

萩山にとっておもしろくて仕方がない俳句-その集積がここに世に出ることの意義は大きい。もしかして著者には”口語俳句第二の出発”の旗手を期待してよいのかもしれない。

田中 陽
まつり

【オリジナル句集】
句集/まつり
著者/齋藤夜空
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

松明の大きく爆ぜて火の祭

夜空さんの俳句への向き方は真摯の一語といえる。句会も楽しんでいる様子がよくわかり、私もうれしくなる。夜空俳句の優れている特徴として、確かな目、豊かな感受性をあげたい。このような資質は、つぎつぎ心を打つような俳句に結実していくにちがいない。

河内静魚
俳句・その地平

【その他】
句集/俳句・その地平
著者/大牧 広
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

その地平の夕映は美しい

少年時代に戦禍をくぐった大牧広は、戦争のない戦後七十年をわが事として考え行動している一人である。それゆえに抱え持つ反骨の視力でこの世の「いま」を見据えたのが『俳句・その地平』。これに同伴するのが折々の俳句と折々の俳人である。戦中派ならではの正眼の構えで立ちながら、時代と俳句の抱える問題を「わたしはこう思う。あなたは如何」と呼びかける。

宇多喜代子