【ミューズ選書】
句集/石の眼
著者/折井紀衣
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
夕空の濁りはじめし慈姑かな
これからは。はっきりはしない自分の中で変わっていったものは何か、時間をかけて考えていきたいと思います。俳句が、やがて応えてくれるような気がします。
【ベストセラーシリーズ】
句集/少年
著者/櫻井キミ子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)
少年の目を真つすぐに合格す
氏は剣詩舞の名手であり、それは実に凛々しい。「白虎隊」を踊ったときだと覚えているが、表情が少年のように思えたことがある。句集名を『少年』としたのも、そうしたイメージを大切にしてのことである。
【平成俳人群像】
句集/バカラのグラス
著者/牧野星純
判型/菊判上製・カバー装
価格/2667円(税抜き)
乾杯はバカラのグラスクリスマス
「海は荒海向こうは佐渡よ」 北原白秋の詩『砂山』は、新潟市寄居浜のもの。それに続く関屋浜から佐渡島が手の届きそうなところに、夕日に染まった島が海に浮かぶ。ざわめく日本海の荒波。作者の乾杯の歌に、バカラのガラスがきらりと。
【オリジナル句集】
句集/箪笥
著者/若森京子
判型/文庫判上製・函入り
価格/2500円(税抜き)
寒鯉や箪笥の底に澱むもの
「紬の京子」と俳句仲間から言われている。着物好き、そして、箪笥好き。 畳のさっぱりした箪笥の部屋に坐って、この人の感性は更に豊潤。
【その他】
句集/天田愚庵の生涯
著者/川嶋隆史
判型/四六判並製/カバー装
価格/1429円(税抜き)
愚庵没後百十年を経て――
私は吟行会とは別に計画を立て、天田愚庵にかかわりをもつ寺を巡礼のように訪ねながら回向したが、その折貴重な史実や遺墨にふれて、点が線に繋がるところがあった。(中略) 後に、「京都における愚庵」と題し小文を書いたが、事歴を追うことに力点があって、その日その時の愚庵の表情が描けていないことを痛感したばかりか、いくつかの補足・訂正箇所があり、決して満足できるものではなかった。『天田愚庵の生涯』は、それらの反省をふまえ、改めて天田愚庵に近づきたいと思ったものである。
【俳句ライブラリー】
句集/生々流転
著者/西本 幸
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)
蓮枯れて流転の力根に残す
「流転の力」に到達した洞察力、さらに「根に残す」の発見で蓮の生命力が生き生きと甦り、脱帽に価する名作となったのである。