【その他】
句集/蕪村・山頭火・三鬼の魅力
著者/成井惠子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2200円(税抜き)
それぞれの作家を魅力ある一面に絞って実態把握を試みた。
画家でもあった蕪村は、素材の数量や配置の抒情性を秘めて独自性を示した。山頭火はのびやかに自由律の世界に入り、行乞の歩みを超えた律の句を詠んだ。一方、個性の人三鬼は、物質的なものと情感の不思議な漂いを実現した。三者の考察を通して、俳句の魅力は、「相異なる要素が融合する時空から生れる」との結論に至っている。
【オリジナル句集】
句集/穴よりも
著者/山下しげ人
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
穴よりも大きく蟹の出て来たり
一読すると、圧倒的な季感が押し寄せてくるし、この自然と四季に対してじっくりと全身で立ち向かってきた著者の真摯な姿が目に浮かぶ。自然や季節を、じっくりと時間をかけて見つめ観察し対象に深く入り込み、そして瞬時に直観で作っておられるのが、いかにも客観写生派そのものの良き表現方法である。
【オリジナル句集】
句集/出逅ひ
著者/占部詩子
判型/A5判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
この人と出逅ひし不思議天の川
この人は勿論「夫」であり、また俳句であり自然や多くの人とのめぐり逢い、心通わす幾人かの友でもあります。よき人に出逅えた自分を幸せと思います。
【オリジナル句集】
句集/華甲
著者/渡辺貞子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
鶏鳴に華甲の年の明けにけり
これほど花の句を、それもただ、見た、美しかったというのではなく、花を自分に引きつけて詠まれている。単に花の句が多いだけでなく、花を詠みながら、自分を詠んでいる。これが、この句集の最大の特徴だし、秀れた点だと思う。
【俳句作家選集】
句集/原始楽器
著者/狩野康子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2571円(税抜き)
まむし草原始楽器のごと叩く
常識を嫌い、知的掘り起こしに興味を覚えて、<創作>ということに意を傾けていることが分かる。それも、これが何よりも大事なことなのだが、頭でなく軀で、知よりもむしろ肉体で行っているのが魅力的。<仏教の末裔として鮎の骨>のような人を喰った句も現れて不思議はない。佳し悪しを別に。
【平成俳人叢書】
句集/梨の芯
著者/武田菜美
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
聊かは辛酸も知り梨の芯
句集『梨の芯』はどこから読んでも表現力に富んだ、言葉の仕掛を愉しめる作品に出会える。 こんな力量のある人が、重い腰をやっとあげての第一句集、世は捨てておかないと思う。