【オリジナル句集】
句集/未踏の雪
著者/松苗秀隆
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
雲に乗るごとく未踏の雪の上
比喩の句である。松苗さんはあまり比喩の句を作らない。ただ取合せの句に秀作が多く、比喩以上の効果を発揮している。そんな中で、この句は正にこの句集の画竜点睛的存在の一句となっている。「未踏の雪」すなわち、これから向かうであろう道程は不確かである。しかし、それを確かなものにするには、ひたすら前に進むより方法はない。松苗さんの真価が問われるのは、これからと言っても過言ではあるまい。
【平成俳人群像】
句集/放課後
著者/田邊博充
判型/菊判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
かかる夜は木葉木菟守る国東塔
大分県には耶馬渓、由布岳、鶴見岳など俳句に関わる人々を魅了する自然が豊富で句材の宝庫であるが、産土の土や水を愛し、その時空を心身込めて受け止めながら俳句に向き合っているのがうれしい。
【その他】
句集/平成俳誌展望
著者/大久保白村
判型/四六判上製/カバー装
価格/2880円(税抜き)
俳句結社誌から見る「平成」
平成の時代に創刊したもの、平成の時代に台頭したもの、平成の時代に終刊したもの、90誌延べ181冊から俳壇の趨勢を展望する。平成という時代の終わりを見据える今、俳句結社誌の足跡から見えてくるものとは。
【その他】
句集/初扇
著者/庄野ひろ美
判型/四六判並製/カバー装
価格/1905円(税抜き)
舞ひ終へて拍手背に受く初扇
何をするのも全力投球でやり遂げる。中途半端なことが嫌いで、日本舞踊も俳句もいっさい手を抜くことをしない。生き抜こうという精神力は、ひろ美さんの人生を支えている。
【オリジナル句集】
句集/草笛
著者/廣野ふえり
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
草笛や無口な夫の饒舌に
廣野さんの句集『草笛』を通読して、まず感じたことは、御主人を詠まれた「夫」の句が多いということである。今まで多くの句集を読んできたが、これだけ御主人のことを詠まれた句集はなかったと思う。単に句数が多いばかりでなく、目に立つ句も多い。
【オリジナル句集】
句集/祝祭
著者/中村重義
判型/四六判上製/カバー装
価格/3000円(税抜き)
薄明の森が放てる黒揚羽
既刊の句集として『金属音』(平成三年刊)と、『虹の橋』(句歌集・平成十八年刊)の二冊があるが、この『祝祭』にはそれらの一部も収載しているので、ほぼ全句集と言ってもよい。