新刊情報 – ページ 83

  • HOME
  • 新刊情報 – ページ 83
山国舟

【オリジナル句集】
句集/山国舟
著者/加藤律子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2200円(税抜き)

秋寂びの山国舟を祀るかな

律子さんは多くの旅をしている。歩行しながら詠む楸邨の作句姿勢に近い。楸邨の歩行的思考などと、われわれ仲間の中では言っている。旅の中に日常生活から離れた裸の自分を置いて、景色と一体になった自分を見つめようとする作句の姿勢である。旅吟が多いのも、そのような歩行的思考の忠実なる実践のためであろう。

河内静魚
鼓動

【オリジナル句集】
句集/鼓動
著者/加藤峰子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

辛夷咲く明日へと続く空の色

仕事、家庭、俳句のすべてに前向きで温かい心を注いできた峰子さんである。退職後はその意欲を更に俳句へと傾け、みごとな深まりを示してくれた。作者の真っ直ぐな生き方がこれほどよく照射された句集も少ないのではなかろうか。

髙橋道子
英彦山

【オリジナル句集】
句集/英彦山
著者/今村尚敏
判型/四六判並製/カバー装
価格/2250円(税抜き)

英彦山の全山紅葉浄土なり

最短小の俳句に魅せられてもう三十年余りになります。長く続けてこられたのは、十七音の魅力でしょうか。また、季語の奥深さのゆえでしょうか。 ある場面の瞬間を切り取り、表現するという俳句形式が合っていたからかもしれません。

「あとがき」より
バタ付きパン

【その他】
句集/バタ付きパン
著者/田川ひろ子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2200円(税抜き)

わたくしを鎮めるやうに兎撫づ

まるで不思議の国のアリスのような人だった。少女がそのまま大きくなったみたいな、真っ直ぐな眼に見詰められるとなんとなくたじろいでしまう。淋しがりやで非常にデリケート。人間としての不安感というか、アリスのような未知への不安感がいつもつきまとう。

岸本マチ子
石の一滴

【オリジナル句集】
句集/石の一滴
著者/北村眞貴子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

立秋の石の一滴石の渦

石の一滴は集まって川の流れとなり、やがて大河となり渦を成し、果ては悠久の大海へ消えてゆく。そこに人の一生を見る思いがした。

「あとがき」より
百灯

【オリジナル句集】
句集/百灯
著者/安宅智子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

冬休み百灯のごと娘の居りぬ

安宅智子さんは、自分の人生を「俳句を通して楽しく見つめる」という習慣を身に着けている。俳句が寄り添った人生を歩む人は、自分を俳句によって癒すだけでなく、俳句活動を通して周りのひとも癒す。

西池冬扇(「序」より)