新刊情報 – ページ 78

  • HOME
  • 新刊情報 – ページ 78
五月晴

【イカロス選書】
句集/五月晴
著者/中川雅雪
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

幼子の鼻に擦り傷五月晴

私にとって俳句は「心豊かに生きるために、なくてはならないものである」という思いがいっそう強くなった。しかしながら、俳句の道は遠く険しい。まだまだ至らないとの思いを抱えながらの作句活動であったが、平成の終りを迎えてこの間のささやかな句業の足跡を記して、自らの生きてきた証としたい。

「あとがき」より
黒潮の沖

【平成俳人叢書】
句集/黒潮の沖
著者/相内をさむ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

黒潮の沖の風来る夏座敷

八丈島は正に黒潮の南側に接する島であり、「黒潮の沖の風」は八丈島にこそ最も相応しい措辞である。端的に八丈島の生活そのものを肌の感覚で受け取った秀作である。

柏原眠雨(「序」より)
坂の途中

【オリジナル句集】
句集/坂の途中
著者/丸山登志夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

人に鳥に春の地球が一つだけ

私がなによりも感銘するのは、老いの意識を地球まで飛躍して、 あえていうならば、地球を仲間連れに感じる朴訥さである。 頭からものをいう観念的なものいいではなく、 佐久の農村暮しの風俗や風習に触れながら、 みちのく花巻の大地から宮沢賢治が天体の運行に わが生命を占ったような、 詩人的な直感が作者には働いているようだ。

宮坂静生
夏の蝶

【オリジナル句集】
句集/夏の蝶
著者/山田 和
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

天平の塔より高き夏の蝶

句集名ともなった「夏の蝶」に未来に前を向く作者の生き様が明るく照らされている。

鈴鹿呂仁
甲武信

【オリジナル句集】
句集/甲武信
著者/小田切輝雄
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

山下る身の浮いてをり桃の花

“集名は、千曲川が源流を発する甲武信岳からもらった。 その名のとおり甲斐、武蔵、信濃の国境に聳える標高二四七五メートルの秩父山地の主峰である。千曲川を遡り、源流を極めたいという長年の夢もある。”

「あとがき」より
星辰以後

【オリジナル句集】
句集/星辰以後
著者/藤木俱子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

白息を身よりのがして星仰ぐ

この句集の出来上がりを見ることなく、藤木?子は平成三十年十月二十五日、呼吸器不全のために八十七歳の生涯を閉じました。俳句に精魂を傾けた四十年でした。 変わりゆく世の中の変わりゆく言葉を憂い、俳句は日本語の最後の砦であると常々言っていました。

吉田千嘉子