【オリジナル句集】
句集/千鳥
著者/髙橋以登
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)
千鳥来し声に膨らむ洲の光
以登さんは、南国市国分の生まれ。土佐国分寺に道をへだてる東隣。そのあたりは、紀貫之にもゆかりの土佐まほろば。そのよき環境が豊かな詩心を育んできた。
【オリジナル句集】
句集/ボロ市
著者/山本御代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
断崖に風の湧き立つ仙人草
仙人草は野生の蔓草で、初秋のころになると、巾二、三メートルほどの藪になって野山のあちこちで目にする。白い小花を多数つけるが、見るからに野性的で、観照味はあまりない。しかし作者は突然の風に二者一体の瞬間を把握した。断崖からの風であるところに妙味を感じる。
【オリジナル句集】
句集/白夜
著者/戸成了晟
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
秋深しワインの眠るシャトー群
「シャトー」というのはもともとは「城」という意味だが、今はそれがワイン蔵として使われているのであろう。ワインは樽に詰められ、ワイン蔵に入れて熟成を待つ。「秋深し」の季語が、じっと眠っているワインと重なり、味わい深い句となっている。
【オリジナル句集】
句集/春の行方
著者/春木小桜子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2800円(税抜き)
二階より見てゐる春の行方かな
俳句を始めとして、何事にもどのような形で己れを生かし、己れを表すかに非常に真摯であるかと思います。対象をしっかりつかみとる観察眼の働きがどんなときにも常に背後にあって、それは画家でもある小桜子さんならではの特徴かと思います。さりげないものに新鮮な眼を注いでおられる様子に、童女のような曇りのない眼を感じます。
【オリジナル句集】
句集/梛の木
著者/小河原清江
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
梛の葉を懐紙に添へて女正月
これは小河原家の敷地内にあった大きな梛の木を詠んだものである。草木を吹き分けるほどの強い風の中、ひるむこともなく、倒れることなく生え続けた梛の木は小河原さんにとって慈悲深い守り神なのである。
【オリジナル句集】
句集/余生
著者/加藤夕陽子
判型/四六判並上製/カバー装
価格/2800円(税抜き)
夏蝶の余生いざなふやうに舞ふ
私の故郷と言えば、断然、世界文化遺産の富士山が大きな存在であることには間違いはないし、誇りともなっている。私は随所に広がる事柄を記録することが、むしろ使命だとさえ感じている。今年九十歳となったが、これからもどんなドラマが生まれるのか楽しみに待つことにしている。