【令和俳人叢書】
句集/蝶の鱗粉
著者/武田和代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2,700円(税抜き)
指につく蝶の鱗粉多佳子の忌
橋本多佳子の俳句の世界を象徴する「蝶の鱗粉」。
勿論、作者はそんな大それた意図を抱いて詠んだのではないはずだ。
俳句の読みぶりも、立ち位置もまったく異なる。
しかし、身に備わった感性が「蝶の鱗粉」を見て取ったのである。
甲斐遊糸(「跋」より)
【オリジナル句集】
句集/琵琶行
著者/如月真菜
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
つかのまの近江住まひや遠砧
加藤郁乎はかつて、如月真菜の俳句を「意識するともなく歌舞伎狂言の『羽織落し』の型を身に付けている」と評した。『琵琶行』もその型のこなしを十二分に堪能させてくれる。
【オリジナル句集】
句集/螢の夜
著者/安藤美佐江
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
螢の夜ふたりとなりし螢の夜
郭公の鳴くこの家に嫁いで来て四十数年。螢は自分と夫の祖父母となったり父母となったりする。また遠くに住む息子となったり娘となったりする。美佐江さんは、夫と二人で螢を見ている。
【オリジナル句集】
句集/冬日和
著者/髙松守信
判型/四六判上製/カバー装
価格/2,700円(税抜き)
餅一つ小分けする身を愛ほしむ
題名は、人生の来し方行く末を日溜まり、蒼い空の中で思い巡らす心の動きをイメージしてのものです。
私の俳句信条は、「昴」創刊主宰・老川敏彦の「内観造型」――「秋」創刊主宰・石原八束提唱の俳論を引き継いでのものですが、実作上どれほど具現、作品化出来ているでしょうか。
【オリジナル句集】
句集/遠富士
著者/萩原まさこ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
遠富士や鱚釣り並ぶ浜日和
駿河湾から見た「遠富士」と思われる。鱚釣りは、もしや今は亡きご主人だろうか。釣りが何よりの趣味だったご主人は、自身は俳句をなさらなかったが、生涯を通じて奥さまの俳句に協力的だったという。そんなご主人は平成十七年、六十六歳で永眠された。本句集に散見する釣りに関わる句は、とりもなおさず著者の夫恋いの句といえるのではないか。
【オリジナル句集】
句集/からだから
著者/藤原暢子
判型/四六判並製/カバー装
価格/1800円(税抜き)
どこからを旅と呼ばうか南風
藤原暢子流の旅が少しわかったような気がした。見る、という目を働かせていることはもちろんだが、見るだけでは決して終らない。出会って、触れあって、交感する。それらすべてが藤原暢子の旅となるのだ。『からだから』はそのような旅の足跡そのものであるといえよう。