新刊情報 – ページ 53

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後光

【オリジナル句集】
句集/後光
著者/尾籠宏子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

ほうたるの眠りし夜半の水明り

宏子さんの「不易」すなわち「後光」は五千石俳句であり師の説かれた詩精神であろう。それを一途に信じ、学びを深くする宏子さんの日常は明るく、常に新しい世界が開示されている。

上田日差子
春の雪

【オリジナル句集】
句集/春の雪
著者/大沢綾子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

夫の遺影胸に外に出る春の雪

『春の雪』は鎮魂の句集である。と同時に大沢さんにとって人生の一つの大きな区切りになったと思う。今後は、過去の悲しみは悲しみとして、自らの人生を見つめ、新しい自分の生き方を見つめなければならない。俳句はその良き伴侶となってくれると思う。

高橋悦男
春埠頭

【オリジナル句集】
句集/春埠頭
著者/疋田武夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

春埠頭一日舫ふ浚渫船

横浜港も幾つもの河川が流れ込んでいるので、浚渫船をよく見かける。自身はエンジンを着けておらず、タグボートに曳航されて移動する。浚渫の仕事も無く、船舶の入出港も無い、静かな港の佇まいが確かに捉えられている。

石渡 旬
金港

【オリジナル句集】
句集/金港
著者/小倉わこ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

判定はしかと安部殿投扇興

正月の遊ぶの投扇興だ。「童子」の新年会では、句会の後に、必ず投扇興で競うのが恒例になっていた。その年の判定者は安部元気さんだった。「安部殿」と措いたことで、一句は江戸時代の芸者遊びにでも戻ったかのような雰囲気が漂う。わこさんの句風にはどこか江戸情緒があるのだ。

辻 桃子
沖津白波

【オリジナル句集】
句集/沖津白波
著者/中間秀幸
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

荒崎の沖津白波鶴渡る

秀之さんの句には、敏郎先生の影響が強いように思う。客観写生に徹した自然詠や祭などの民俗行事の句が多いからだ。それは。風生先生の名代として、また、南日俳壇の選者としてよく鹿児島を訪れた敏郎先生と、吟行を共にされたからであろう。

鈴木貞雄(「序」より)
『樫』と『風土』

【オリジナル句集】
句集/『樫』と『風土』
著者/川治汎志
判型/四六判上製/カバー装
価格/3000円(税抜き)

万緑につつまれて生き食太し

すでに傘寿を迎えた身である。悠然と自由に、これはと思うものを捉えて、「をかし」とうなずかれるような作品を作っていきたいと願っている。夢あるうちは青春なりという言葉に励まされて歩んで行こうと思う。

(「あとがき」より)