新刊情報 – ページ 52

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九州男児

【オリジナル句集】
句集/九州男児
著者/徳吉洋二郎
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

納豆汁我は九州男児なり

難解な用語を放電することなくとも、読み手を懐柔する幻術を用いなくとも、人間の根幹に触れる世界を描き出すことができる。そんな徳吉ワールドは、俳句を志す者の王道を示しているとも言える。しかも、筋肉をほぐした自然体で実践しているところが羨ましいところである。

並木邑人
回帰

【イカロス選書】
句集/回帰
著者/増田 守
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

ゆつくりと回帰の途上寒の星

有季定型の力を信じて、タブーなしに社会の実相を切り取る。目に触れた事象に触発され、心に投影されたことを十七文字に書き起こす。カオスの中を突き進んできたとき、端的な言葉に行き当たる。

「あとがき」より
雲の峰

【オリジナル句集】
句集/雲の峰
著者/宮下めぐみ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

こころざし高く持つべし雲の峰

宮下めぐみさんの真っ直ぐな心情がうれしい。郷土、伊豆下田の自然・歴史を愛した句は自信に満ちている。力強い。何気なさを詠んだ情景句にも、立体感がこもっていて、祈りがある。その創造の賢明さが、句集『雲の峰』の魅力である。明るい未来を期待したい・

「浮野」主宰 落合水尾
沢瀉

【その他】
句集/沢瀉
著者/矢野悌子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

幼子の目の高さまで身をかがめ今宵の三日月ともに眺むる

歌の基盤は日常に据えながら、詠む対象は多岐に亘っております。ものを観てのその感慨は、やさしい言葉でそして丁寧に詠まれており、読み手の心はその表現にひき込まれてしまいます。

塚本瑠子
虹の詩音

【オリジナル句集】
句集/虹の詩音
著者/あそひみ子
判型/変型判上製・函入り
価格/2000円(税抜き)

アスファルトに爆音蜃気楼逃げるから

およそ文芸というものは、未確認の自己を表出し。新しい自分を造型する、それを目的とするものだ。そのためには奔放・自在がどうしても必要、それなくて<創造>はできないのだ。ひみ子はそれに賭けて<うた>をつづけて来たものと思う。今はまだ未完だが、異彩は十分に放っている。

星永文夫(「序」より)
風のあと

【オリジナル句集】
句集/風のあと
著者/後藤むつ子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

むらさきの奈良の古墨よ夕薄暑

かつて激しくあった心は、年月を経て、静謐な場を知り穏やかな生命の姿が見えたのであろう。書家として俳人として存分に、あるがままを成して行かれることだろう。

佐藤麻績