新刊情報 – ページ 3

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たんぽぽ

【オリジナル句集】
句集/たんぽぽ
著者/佐藤裕子 佐藤壽彦
判型/四六判上製/カバー装
価格/2800円(税抜き)

たんぽぽのやさしくありぬ児に摘まれ 裕子
たんぽぽや日の申し子の顔をして 壽彦

お二人の句を並べてみると、やさしい。やさしい、という言葉は何をさすのだろうか。それはおそらく、ただそのままの姿でそこにいるということを、否定しないということだろうか。そして、お二人とも句がやさしいと思うのである。

大橋一弘「序」より
かぶと虫

【オリジナル句集】
句集/かぶと虫
著者/原光生
判型/新書版並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

かぶと虫「少年ジャンプ」と交換す

平素の暮らしの中でふと気付く機微の表白が集まって、作家の人格を作ってゆく。これらの作品の優しきまでの自己表白が景として打ち出されていることに注目している。

増成栗人「序」より
有楽椿

【オリジナル句集】
句集/有楽椿
著者/松岡典子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

四百年有楽椿や如庵に添ふ

犬山は俳句でたびたび吟行する素晴らしい町である。国宝犬山城のあるこの地で生まれ育った典子さんの俳句に濃い面影を残している。国宝の茶室「如庵」の庭には水琴窟もあり、有楽椿が花開くのであった。

武藤紀子「序」より
深遠

【オリジナル句集】
句集/深遠
著者/中西厚子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

露光り一瞬の生全うす

俳句は精神(心)の風景と常々思っているが、彼女の作品は主観を大胆に表出しているところに特徴がある。「一瞬の生全うす」が彼女ならではの主観の表出。光ってこぼれた露の玉の美しさもさることながら、生を全うした命の姿に見えて作者は感動したのだ。

高橋将夫「序」より
大阿蘇

【オリジナル句集】
句集/大阿蘇
著者/田島三閒
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

初御空くまもと広し阿蘇広し

私自身の「くまもと」という郷土の触れ合いの集成であり、広い熊本県内でも特に学生時代から続いている「火と水と祈り」の里、阿蘇という地域へのささやかなアプローチでもある。今後とも俳句を通じてその奥深さを表現していきたい。

「あとがき」より
傘寿

【令和俳人叢書】
句集/傘寿
著者/東島勝彦
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

わが村は字名馬洗麦の秋

勝彦氏の郷土愛がこの一句にこめられている。「うまあらい」が長い歳月を経て、いつしか「もうらい」となったのであろう。肥前の陽光かがやく麦の秋。思わず「わが村は」と声に出た充足感のある一句である。句作の幅や奥行きはまだまだ広く深い。

鈴木しげを「序」より