新刊情報 – ページ 160

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走馬燈

【オリジナル句集】
句集/走馬燈
著者/島津余史衣
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

思ひきや黄泉にぎはへり走馬燈

師と仰ぐ加藤燕雨先生、高橋克郎先生、角川照子先生、吉田鴻司先生は皆お浄土へ旅立たれた。たった十七文字で、ものの命を詠うことのできる俳句をそれぞれの姿勢で、それぞれの言葉で私に教え、導いてくださった方々を懐かしむとき、浮ぶのは掲句である。師の在すお浄土は私の憧れの処である。

「あとがき」より
風花

【オリジナル句集】
句集/風花
著者/介弘紀子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

風花はひかりを人は詩をつむぐ

紀子様の句の魅力は、句にある詩趣ではないだろうか。選び抜かれた詩の言葉が鏤められているのである。この句集は全てがその「詩」に満ちていると言わざるを得ないだろう。

稲畑廣太郎
水のやうに

【俳句ライブラリー】
句集/水のやうに
著者/熊丸淑子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

忍冬の花に沖の帆近づき来

淑子さんには白が似合います。 銀色(しろがねいろ)とも思います。 昭和という激動の世を、慎ましやかに歩まれた日々に、深い共感と親しみを覚えました。

德田千鶴子
薔薇の香

【オリジナル句集】
句集/薔薇の香
著者/山田貞子
判型/四六判並製/カバー装
価格/1852円(税抜き)

薔薇愛す夫在りし日も亡き後も

句歴を重ねても俳句に慣れきった姿勢には決してならない。そして自在な発送を以て情感のある俳句へと繋げる敏感な感性が貞子さんの強みかと思います。 息子の武嗣さんとは、いつも揃って句会に出席して、親子で同じように歩き、同じものを見て、同じ時に俳句を作るという豊かな時間を大事にしているように見受けられます。

古賀雪江
蜑の四季

【200句精選】
句集/蜑の四季
著者/菅 煌矢
判型/四六判並製/カバー装
価格/1905円(税抜き)

遍路過ぐ光へ竹の落葉舞ひ

竹林の中の道をゆく遍路、数人の場合もあるが、この句は一人であろう。遍路の白装束を感覚的に光として把握した技巧は優れている。その光の中に竹の落葉が静かに舞っている。前句についてはこの様な情景が想像される。非常に美しい句である。

戸川稲村(「鶴俳句の諸作」より)
蝶の横貌

【オリジナル句集】
句集/蝶の横貌
著者/牧野洋子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)

秋真昼蝶の横貌見たやうな

顔と横顔は、わずかな視覚のずれにもかかわらず陰陽の差となるから面白い。 もちろん顔は陽で横顔は陰なのだが、人はなぜかその陰の横顔に惹かれるのである。

岩淵喜代子