新刊情報 – ページ 151

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水程III

【ベストセラーシリーズ】
句集/水程III
著者/山崎満世
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)

切れぎれの白浪沖に春の風邪

「切れぎれ」に立つ沖合の「白浪」の景に接して思わず体調の気懶さを鮮やかに感じたのである。といってもの憂さというよりもどこかに海の景を楽しんでいるのを感じさせてくれるのもまた、俳句の面白さである。感受確かな一作。

広瀬直人
四季讃歌

【その他】
句集/四季讃歌
著者/諸岡正明
判型/変形版上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)

いつか来たこの坊ガツルこのもみぢ

九重連山は大好きな山で、高校生の頃から何度も何度も登った山だ。高校生の時はテントと飯盒をかついで、九重から阿蘇に山歩きをした。この写真俳句集の中には、九重、阿蘇の山々をはじめとして九州の美しい四季の移ろいの他、私達が住んでいる周囲の美しい自然、生活の中の風景など、更には海外での風景なども写真俳句として掲載した。

作者
水文字

【オリジナル句集】
句集/水文字
著者/石関洋子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

夕立霽れ一握の星まかれをり

この度の句集『水文字』を拝見して、この風土にこそ培われた豊穣を、ご自分のうちにたっぷりと蓄えられた作者の詩質を改めて知る思いがした。朝人師の「生きる証」としての抒情は、すでに備えられていた心の土壌に深く植えつけられてゆく。句柄の大きさ、その句位の確かさは、その時期に師より受け取られたものであろう。

島端謙吉
橅の森

【平成俳人叢書】
句集/橅の森
著者/水村幸雄
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

点々と黒き雪間や?の森

橅の森に見られる残雪の景、それを「黒き雪間」と捉えた感性は、生まれるべくして生まれた言葉である。幸雄作品には難解な言葉はない。常に穏やかな詩情のなかに身体から燃える光を輝かせ自然を見詰め、体当たりして作句に取り組んでいる姿勢が窺える。

雨宮抱星
四水

【オリジナル句集】
句集/四水
著者/田村和実
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

夏休み俺の背を越す孫が来る

当初『四水』も還暦時の『華甲』に倣い、小生が喜寿になった時に発行を予定していたが、句会100回を数えられたこと、今年は金婚の年に当たること、更に、最近とみに体力に衰えを感じる様になったことから、やり残している事を急がねばと、発刊を早めることとした。

著者
白猫

【オリジナル句集】
句集/白猫
著者/藤本始子
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

白猫の恋のはじめの闇夜かな

なめらかな韻律の裡に嫋々たる春夜の情を感じさせる。表現は簡明でありながら、内実は、猫の恋のはじめの切なさと恋の悩ましさが絡み合っている。しかし一句は、大胆な省略によって白猫の恋の初々しさの印象が強く、猫の生命を讃える内容となっている。情景は、美しい白猫のはじめての恋の貴い美しさを思わせる。

井上康明