新刊情報 – ページ 15

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母子草

【和華双書】
句集/母子草
著者/薬師寺裕二
判型/四六判並製/カバー装
価格/2100円(税抜き)

蜜柑むき病母どこまで淋しがる

病院か施設かで暮らす母が、自宅で新年を迎えるために帰宅する。この一句の「どこまで淋しがる」が伝える〝老い″の現況。明日が解らぬのは誰しもであるが、老いが抱える深い不安と哀しみ。作者はその母の傍らに寄り添う。子も、ただ寄り添うしかない哀しみの中にいる。

寺井谷子(「序」より)
滝の宿

【オリジナル句集】
句集/滝の宿
著者/石川暉子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

辻ヶ花の帯の背ぽんと初鏡

四季を通じて飽きることのない出湯と滝の宿。その温泉宿の女将の元旦は華やかに餅搗きで始まり、梅林で町を挙げての梅祭りが開催され、そして桜から藤へと、湯の街は花々に包まれる。

松尾隆信(「序」より)
青葉風

【その他】
句集/青葉風
著者/面白佳世子
判型/四六判並製/カバー装
価格/1500円(税抜き)

ただ歩くひたすら歩く冬支度

省略簡潔に心がけるのは、文章でも同じこと(中略)息詰まると、その気持を俳句で表してみることが始まった—— 佳世子さんの熱い想いが五・七・五から溢れ出しています。ひたむきな人生に、青葉風がエールを送っています。

橋本 薫
いわし雲

【オリジナル句集】
句集/いわし雲
著者/鈴木秋峰
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

いわし雲彼の地に続く空なれば

人はある意味、生まれながらにして余命宣言を受けているようなものと言えるかもしれません。でも最期の日がいつなのかは神様しかご存知ありません。私に残された日々を、美しい自然を愛で俳句と共に全うしたいと思います。

(「あとがき」より)
光あるうち

【オリジナル句集】
句集/光あるうち
著者/石川まゆみ
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

卯の花の光あるうち集まろう

青木ヶ原樹海の吟行でガイドさんに、「集合場所はあの白い花の所です、遅れないように必ずあそこへ」と言われた時にできた句だ。場所は白い花、期限は光あるうちに。生き方もこうありたいと思う。

「あとがき」より
つれづれのままに

【その他】
句集/つれづれのままに
著者/瀧澤とき
判型/変形判並製/カバー装/DVD付
価格/私家版円(税抜き)

初鳴きのカッコウの声聞こえきて空を見上げて耳をすませり

心のはなやぎや淋しさを四季のうつろいに重ね合わせて詩に詠み、ひとり楽しんでいた母の姿を偲ぶとき、穏やかな静かな時を過ごす術を持っていた母は幸せであったと、ほっといたします。

瀧澤 博