新刊情報 – ページ 149

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流光

【オリジナル句集】
句集/流光
著者/船津正昭
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)

傘寿の賀流光かさね秋の天

入退院の中で、奥様との日々を慈しみ、曾孫様の誕生を見届けられてもいる。句帳と歳時記を身辺にされていた八年という歳月。「俳句」というものとの出会い、手放さずに作り続けたことにより、この歳月はきっかりと刻まれ、今私たちの前にある。嬉しく有難いことである。世界最短と言われるこの小さな詩形「俳句」が遺す大きなもの。そこに、この遺句集の有難さと大事さがある。

寺井谷子
寒濤

【イカロス選書】
句集/寒濤
著者/松永唯道
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

寒濤が寒濤くづしせまりくる

その景に対する作者の悲しみは、そう言い放つことによって直ちにそれに立ち向かおうとする気迫に、すなわち厳然たる意志に転換している。ここには、松永氏独自の文芸的な意志の典型を見ることができるのではないか。

谷口慎也
春雪富士

【オリジナル句集】
句集/春雪富士
著者/加藤夕陽子
判型/四六判上製/カバー装
価格/3000円(税抜き)

春雪の富士ある窓を開けにけり

作者の一日は富士を見ることから始まる。『春雪富士』は夕陽子さんならではの作品である。自分の机より富士山を正面にして毎日心を清めておられるという。我々が偶に見る富士山とはけた違いである。

井上 進
草楽人生

【オリジナル句集】
句集/草楽人生
著者/小林春鷗
判型/四六判上製/カバー装
価格/3000円(税抜き)

まなかひに月山聳え菊を摘む

山形県は食用菊生産量日本一。しかも春鷗さんは薬用酒作りの名人でおられる。菊の薬用酒作りのための作業であろうか。月山に真向かい心を清めつつ菊を摘む春鷗さんの姿が彷彿とした。

手塚美佐
春の雁

【オリジナル句集】
句集/春の雁
著者/所 山花
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

斑猫の飛びて馬籠へ坂嶮し

本集は、一九五三年から一九八一年までの初期の作品を年代順に収めた。前半は「鶴」(石田波郷選)から、後半は「万蕾」からなる。 私は石田波郷の句集『雨覆』『借命』などに触れ、波郷に強く惹かれていたので、「鶴」再復刊の知らせは私にとっては本当に嬉しいことであった。

「あとがき」より
風の彩り

【オリジナル句集】
句集/風の彩り
著者/大沼遊魚
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

蝶の来て風の膨らむ遊園地

私の所属している俳句結社では、「伝統を尊重し新しさを求める」、この信念を初学教室時代から強く頭に叩き込まれてまいりました。先生方の声がいまだに耳奥に残っております。

「あとがき」より