新刊情報 – ページ 147

  • HOME
  • 新刊情報 – ページ 147
風鈴

【オリジナル句集】
句集/風鈴
著者/秋葉裕子
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

あたたかき母の掌共に青き踏む

秋葉さんの素直で優しいお人柄が、この句に表れており、それはこの句集全体にも通じるものです。多くの句の中から精選された成果が、この『風鈴』に結実しました。

栁下惇夫
紅薔薇

【オリジナル句集】
句集/紅薔薇
著者/浅沼郁子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

紅薔薇を夫から貰ふ誕生日

『紅薔薇』は異色の句集である。どこが変わっているかというと、この句集は、初めから終わりまで、看取りの句で埋めつくされているのである。まず、実母の看取り、次いで義母の看取り、そしてご主人の看取りと、続けざまに三人の人を介護している。浅沼さんの場合、ただ看取るばかりでなく、ご本人も病気で、入退院をされている。その病気も決して軽いものではない。こんな人は滅多に居ない。浅沼さんは、その看取りの日々を淡々と、しかし、しっかり句に詠まれている。

高橋悦男
花野に

【イカロス選書】
句集/花野に
著者/小西領南
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

花野にとどく死去を告ぐ拡声器

人間に「あの世」があるとは信じませんが、日本や外国の宗教の一部に「花野」と死後の関係の書物も有ります。掲句は、あの世の妻をはじめ大勢の先輩、同僚に捧げる意味も含めました。

「あとがき」より
続 松の尾

【オリジナル句集】
句集/続 松の尾
著者/久松久子
判型/文庫版・ビニールカバー装
価格/952円(税抜き)

風花に浮力をもらふ御神前

三年ほど前、松尾大社の宝物館に保管されていた十七体の神像が公開された。平安後期作と銘文が残る。神像として大変古いものとされ貴重な存在である。高さ一尺ほどで、虫喰いにかろうじて形ばかりのお姿のもあるが、神様というより翁媼の風貌で、笑顔の面差しが実に親しく、ちんまりと鎮座する。

著者
回流

【オリジナル句集】
句集/回流
著者/畑 佳与
判型/四六判上製/カバー装
価格/2800円(税抜き)

この道やてふてふと同じ風の中

この作品を最後に置いたのは、第一句集『花菜風』からの風の流れを感じたからである。「自分の目で見、自分の言葉、すなわちわかりやすい自分の言葉で俳句を作りたい。そして、感性を大切にしたい」第一句集に告白している言葉が今回も確認できた。

豊田都峰
殻いろいろ

【平成俳人叢書】
句集/殻いろいろ
著者/松島あきら
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

枕頭に積む重ね着の殻いろいろ

この句は「生」を、烈々とではないが穏やかに詠っている。この「穏やかさ」に反って詠まれた対象が鮮烈に迫っている。それは俳歴にもあるが、天性の詩質からくるものであろう。

水内慶太