【オリジナル句集】
句集/獺の祭
著者/三苫知夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)
遺品の靴獺の祭のごと並ぶ
誰の遺品とも書いてはいない。しかし三苫知夫の一句として読む時、ひとり居となった玄関に、妻がよく履いていた靴、外出に履いていた靴、祝い事の時に履いていた靴、未だ箱に入ったままであった靴・・・が、思い出と共に鮮やかな存在感を伴って半円を成す。「獺の祭のごと並ぶ」その中心に佇む遺された者の思い。
【オリジナル句集】
句集/遠蔵王
著者/熊沢れい子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)
天守より残雪光る遠蔵王
れい子さんの句は気負いのない平明な写生句である。物をしっかり捉えて、物の持つ力や物同士の関わり合いに生じる働きに、感興を委ねる作風である。素直に対象と向き合う態度が、読み手の側に作者の心情を真っ直ぐ伝えてくれて気持が良い。
【オリジナル句集】
句集/従心
著者/河野 薫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
香水や一瞬揺らぐ身の悪魔
河野薫は貴種である。父は河野南畦、母は河野多希女。共に俳人夫妻として名高い。その衣鉢を継ぎ、現代俳句を担う「あざみ」誌の三代目主宰となった。加えて慶大俳句時代先輩柿本憲吉の薫陶を受けている。俳句の心に抒情を唱え、学生運動の旗手の一人であった。連衆と句会錬磨のあとは置酒歓語も辞さない一面もある。その凡ては輝きを放っている筈だ。優れた俳人の 犇めく横浜っ子でもある。その船出の銅鑼は鳴り舵輪は宜候だ。句集の作品を羅針盤としてである。
【オリジナル句集】
句集/初舞
著者/有我重代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)
舞初めの正装といふ五つ紋
俳句はリズム、俳句は呟き、俳句は発見、俳句は省略、俳句は言い切り、俳句は季語、俳句は詩、俳句は人となりです。私は私でしかありません。故に、これからも私は私のリズムで、私の呟きで俳句に向き合っていくしかないのです。平凡な暮しの中のあたり前のことを深く詠うことの難しさを感じながら・・・・・。
【俳句作家選集】
句集/残り火
著者/久光良一
判型/四六判上製/カバー装
価格/2571円(税抜き)
残り火に息吹きかけ明日も生きようと思う
まだまだ初心者のつもりでいた私も、いつのまにか傘寿を迎える歳になった。ポエジーを大切に、自分なりの叙情の世界を作り上げたいという私の思いをこめた第二句集である。
【和華双書】
句集/酔いどれて統太
著者/安曇統太
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)
北を発ち南へ帰る六月尽
私はこの句を人生の大転機の句と見ている。妻と二人だけの最北の知らない地で病み、妻の看病を受けて無事生還した。傍若無人に飲み歩いていた時代の終焉ととれると共に、帰るところは妻の胸との思いを強くしたに違いない。