新刊情報 – ページ 135

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春光

【オリジナル句集】
句集/春光
著者/岡副佐代子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

春光の日毎に力増しにけり

佐代子さんの句の特色は、さらりと詠んで味があるところにある。それは単なる表面描写でなく、身のうちに一旦対象を取り入れ、それを消化し、醇化し我が物としているからである。表記も巧みで、清音を多く使い、平仮名が似合う句が多い。作品全体が上質な水彩画に仕上がっていて、爽やかな初夏の風に吹かれている読後感がある。

石井いさお
天鼓

【オリジナル句集】
句集/天鼓
著者/本郷大地
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

水澄んで子の意に随ひゐたりけり

齢を取ったら子の意見を尊重してそれに随うという句意だが、「水澄んで」という季語が素晴らしい。秋も深まり、空気もいよいよ澄んで物事ははっきりと見え、人生も深みをましているのだ。

森 潮
蕪村

【その他】
句集/蕪村
著者/稲垣麦男
判型/四六判上製/カバー装
価格/2778円(税抜き)

俳と絵に燃えつきた生涯

視野の雄大な想像力を働かせることが出来たのは、蕪村が詩歌の伝統や慣習から自由であったからに他ならない。それは彼が、すでに近代という薄明の中に生きていた証であった。

著者
禅寺丸柿

【イカロス選書】
句集/禅寺丸柿
著者/池内英夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

柿たわわ熟れて柿生の禅寺丸

『禅寺丸柿』は私の住居である柿生の地に由来するものです。一二一四年に王禅寺の山中で発見され、その約百五十年後の一三七〇年に、この柿の実の甘さに惹かれ、移植されたものが近隣に広がったもので、今もこの地の、名産となっています。この由緒ある「禅寺丸柿」を句集名とし、一編を世に残すことの幸せを、平和な世の中と共に味わいたいと願っています。

「あとがき」より
琴の音

【その他】
句集/琴の音
著者/鈴木龍生
判型/四六判並製・カバー装
価格/私家版円(税抜き)

池田琴線女 一句観賞

池田琴線女主宰は俳句と箏曲、お琴の先生の二つの顔を持つ。題名の「琴の音」は、伝統的な十三弦から奏でる優雅な音色を重ねつつ筆を執ったことによる。お琴の方は宮城道雄の直伝で、夙に名の知られた先生である。筆者はお琴のことには、全くの門外漢。お正月の「春の海」ぐらいしか知識がないが、聴いていると何故か華やぎを感じ、心を落ち着かせてくれるから不思議だ。

「あとがき」より
持ち時間

【オリジナル句集】
句集/持ち時間
著者/眞鍋倭文子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)

まんぢゆうのやうな子にやるお年玉

倭文子さんには三人の子供がいて七人の孫がいる。彼女は頼りになる親であり、おばあちゃんである。「まんぢゆうのやうな子」という句を見れば、誰でもその子供の様子が目に浮かぶ。そしてその子供を見守る倭文子さんの温かいまなざしが、こちらの胸にも沁みとおってくるのである。

武藤紀子