新刊情報 – ページ 133

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冬北斗

【平成俳人叢書】
句集/冬北斗
著者/大塚通子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

二人で見いつか一人に冬北斗

通子さんはひと口に言って大らかな優しい科学者であり、控えめな麗しい俳人である。スタート当初より独特な品格ある作品を発表し、それを豊富な語彙で表現、句友を驚かせていたものであった。俳句に携わった歴史は十年余りだが素晴らしい俳句的土壌に育まれていた分プラス何十年かがあるのかも。

船越淑子
あめつち

【オリジナル句集】
句集/あめつち
著者/藤崎さだゑ
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

あめつちのあはひ白梅一枝かな

「天と地」、その間に多くの生物が命を保っております。命あるもの、とりわけ植物を愛したさだゑには、ふさわしい集名だと思います。

藤崎 実
冬の石

【俳句ライブラリー】
句集/冬の石
著者/才野 洋
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

ひたすらに乾いてゐるや冬の石

夏風先生に入門して間もない頃の句であるが、早速、先生の特選に採られた。著者は「冬の石」にひたぶるな意志を感受したのである。

阪田昭風
福俵

【オリジナル句集】
句集/福俵
著者/曽根原幾子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

福俵曳く総身を地に張りぬ

第三句集『福俵』は句集名に著者の渾身の思いが籠められている。(中略)私が提唱する地貌季語で、安曇野の中心地豊科地域での小正月の行事を象徴する福を呼ぶ飾り付けである。福俵などと、形は豊作祈願の米俵であるが、男根を象徴するところの性的呪物。渾身の思いを籠め、力が入るのはもっともであろう。『福俵』は地域への愛情が満ちた地域語の宝庫である。

宮坂静生
ひつじ

【オリジナル句集】
句集/ひつじ
著者/須崎美穂子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

新緑がひつじの眼洗っている

なんとも爽やか。上のお孫さんと美穂子さん二人が年女だという。お孫さん姉妹のお一人が題字を、お一人があの素敵な松ぼっくりの羊を、羨ましいお話である。美穂子さんの笑顔が見える様だ。

岸本マチ子
風の遍路

【俳句ライブラリー】
句集/風の遍路
著者/佐藤のぶ子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

風の遍路白布の波のしきりなり

「あとがき」にもあるように、ご主人との永別によって、「ふっと人生は遍路だ、と思うようになりました」とのぶ子さんは書いている。句集名が『風の遍路』と決められたのも宜なるかな、と思うのである。

緒方 敬