新刊情報 – ページ 13

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蓮の花

【その他】
句集/蓮の花
著者/長崎円喜
判型/四六判並製/カバー装
価格/1500円(税抜き)

仏門に入りし過去あり蓮の花

長い人生のなかでは何回か大きな節目があり、そこを乗り越えることでしばらくはまた生きる力が生まれる気がする。そのためには、何かけじめが必要であり、過去を集大成した自分史の発行が最適と考えた。この自分史の発行がこれからの余生を鼓舞するきっかけになると信じたのである。

(「あとがき」より)
ローカル線

【オリジナル句集】
句集/ローカル線
著者/池谷 晃
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

除雪する停めてはならぬローカル線

第一句集『自由席』に対するこのたびの第二句集のタイトルが『ローカル線』でJR(旧日本国有鉄道)マンの矜持が一貫している。為に、このたびのタイトルも実に小気味よく、池谷晃氏の不断の面目が躍如の点に納得。

島村 正(「序」より)
ビバルディめく

【オリジナル句集】
句集/ビバルディめく
著者/井田隆章
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

風音のビバルディめく山笑ふ

非常な努力家でもあって、確かな精進を続けてゆかれるのが見えます。俳句をイメージでとらえるのではなく、確かな人生の証としていることが見えます。大病をされ、それを克服してゆく途次の冷静さです。景へ向けるまなざしは非常に直線的で、迷いも、衒いも無いことが感じられます。

古賀雪江(「序」より)
夢ざくら

【女性俳人精華】
句集/夢ざくら
著者/谷中賀津代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

「夢ざくら」村の古老の植ゑし樹ぞ

夢ざくらは早咲きで、蜂須賀桜となにがしの桜とを掛け合わせた、稀少種の銘だとか。賀津代さんは二人姉妹の姉として地域に育ち、地域愛、家族愛はこの一集に底流するものだといえよう。賀津代さんの温厚篤実さは、この作品群のもつ豊潤さを包容した『夢ざくら』に結実されたと確信する。

谷中隆子(「序」より)
複眼の宇宙

【オリジナル句集】
句集/複眼の宇宙
著者/梶間淳子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2300円(税抜き)

複眼の宇宙に遊ぶ鬼やんま

これはまさに。俳句を作ることの楽しさをそのまま言い換えたような一句である。様々な視点を持つことで、俳句の領域が拡がり、より深くモノを見、感性を働かせた作品が出来上がる。第一句集から二十年。進境著しい著者の世界をじっくりと味わいたい。

髙橋健文
飾売

【オリジナル句集】
句集/飾売
著者/富永素光
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

鶴帰る故国に告げる事あらん

北国に帰る鶴に、故国に何か言いたいことがあるのではと問うている。上五で切って、外国から来た人に問うているとも読める。ウクライナ侵攻という状況下でメッセージ性を持つ句となった。

秋尾 敏