新刊情報 – ページ 125

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春隣

【オリジナル句集】
句集/春隣
著者/荻沼嘉枝
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

雄ひじわや農に向く手と言はれし日

萩沼嘉枝さんは常陸の地にお住まいですが、その土地にしっかりと根を下ろし、骨太の句を詠みつづけておられます。今回の句集には未収録ですが、私の大好きな一句をご紹介しておきます。

名和未知男
沢登り

【オリジナル句集】
句集/沢登り
著者/西尾美穂子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

沢登り終へてこたびは芒漕ぐ

美穂子さんは俳句を始められてすぐ、頭角を現されたという印象が強い。それも、最近めきめき腕を上げて、目立つようになって来たというようなタイプの人にありがちな、巧みで狙いが際立つような作品ではなく、一読、おっとりした、さりげない情景を捉えていながら、そこに何とも言えない滋味、余韻が感じられる句が多いというところに、その特徴があるように思う。

三村純也
朴の花

【オリジナル句集】
句集/朴の花
著者/上野泰子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

死ぬといふ大事残れり朴の花

父や兄を戦争で奪われ、引き揚げ、強制疎開、夫の早世等々、決して幸運な方ではない気がいたしますのに、なんとか無事に、しかも花鳥風月を愛でながら今日まで結構楽しく平穏に生かされてまいりましたことが、不思議でならないのです。

「あとがき」より
夢色の手紙

【女性俳人精華】
句集/夢色の手紙
著者/比嘉 安
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)

わが山河まだ見つくさず甘蔗の花

何と大らかに夢をみつつ足許を確かに生きておられる比嘉さんであろうか。これからも日々是好日で耕しの日々を送られることとよろこばしく思えてならない。

佐藤麻績
川根夫婦滝

【オリジナル句集】
句集/川根夫婦滝
著者/諸田宏陽子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

人知れず隠れ川根の夫婦滝

大正末期に生まれ、二十一歳で作句を始める。気負わず飄々と詠み継いできた、卒寿の軽やかな息吹。

青嶺

【オリジナル句集】
句集/青嶺
著者/金子富子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

最上川舟唄ひびく青嶺かな

一人旅が好きで、いまだに思い立ったところにすぐに出かけてしまうのだという。その行動力は今の若者にも決してひけは取らないであろう。卒寿の青春を謳歌されている富子さんに、高らかに祝福の盃を掲げるものである。

山本一歩