新刊情報 – ページ 117

  • HOME
  • 新刊情報 – ページ 117
まつり

【オリジナル句集】
句集/まつり
著者/齋藤夜空
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

松明の大きく爆ぜて火の祭

夜空さんの俳句への向き方は真摯の一語といえる。句会も楽しんでいる様子がよくわかり、私もうれしくなる。夜空俳句の優れている特徴として、確かな目、豊かな感受性をあげたい。このような資質は、つぎつぎ心を打つような俳句に結実していくにちがいない。

河内静魚
俳句・その地平

【その他】
句集/俳句・その地平
著者/大牧 広
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

その地平の夕映は美しい

少年時代に戦禍をくぐった大牧広は、戦争のない戦後七十年をわが事として考え行動している一人である。それゆえに抱え持つ反骨の視力でこの世の「いま」を見据えたのが『俳句・その地平』。これに同伴するのが折々の俳句と折々の俳人である。戦中派ならではの正眼の構えで立ちながら、時代と俳句の抱える問題を「わたしはこう思う。あなたは如何」と呼びかける。

宇多喜代子
輪中の空

【オリジナル句集】
句集/輪中の空
著者/七種年男
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

どんどの火輪中の空をつらぬけり

大垣は芭蕉が「奥の細道」の旅を終えたむすびの地としても知られている。洪水から集落や田畑を守るため、周囲を輪中と呼ばれる堤防で囲んでいる。私は「沖」を継承した時「人が作らない俳句、人が作れない、さらには人が納得する俳句、人が感心する俳句」を目指したいと提唱した。七種さんの句も正に「ルネッサンス沖」の理念に適うもので俳人としてさらに詩質を高められた作品である。

能村研三
延廣禎一歳時記

【その他】
句集/延廣禎一歳時記
著者/延廣禎一
判型/文庫版並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

をかし・不思議・ふっきれの俳句観

本歳時記はご遺族の快諾を受け、「槐」俳句会有志の参加によって編まれたものであります。故延廣禎一氏の在籍された平成五年より平成二十五年までの約二十年間の作品を「槐」誌のバックナンバーからゆかりの会員の手により収録いたしました。

「あとがき」より
遠郭公

【オリジナル句集】
句集/遠郭公
著者/細原順子
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

遠郭公径は二つに岐れゐて

阿蘇の麓の目的地でバスを降りたその時、突然郭公が鳴きながら裾野に広がる棚田の上を渡っていった。遠い空の彼方に消えた後も澄んだ声が耳に残った。一瞬立ち止り、ここから道は二つに分かれている、選んだ道を迷わず行く郭公の直情径行に息をのむ思いだった。聴覚と視覚が同時に捉えた至福の風景にこの句が生れた。

著者
大和三山

【オリジナル句集】
句集/大和三山
著者/宮平知三
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

遠花火大和三山あらはるる

決して物欲しそうでなく、穏やかで物静かな声調でありながら、対象の本質を捉えている。これがこれまで培われた気質なのであろう。どの頁を開いても、知三氏の暖顔と、ゆったりとした言葉が出てくる句集と言えよう。

宮田正和