新刊情報 – ページ 116

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回転木馬

【オリジナル句集】
句集/回転木馬
著者/林 和子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

永き日を回転木馬の浮き沈み

作品の特異性は、手際のよい対象把握と要の利いた表現の妙味に見られたようだ。届けられた句稿に目を通しながら、改めてその感を深くしている。無差別にどの作品を取りあげても、そつのない優等生型の好句集である。今後どんな方向で更に熟成していくか、楽しみではある。

千田一路
夏鶯

【オリジナル句集】
句集/夏鶯
著者/木津凉太
判型/四六判上製/カバー装
価格/3000円(税抜き)

一本の野薊に足り研究室

平成十年、十七年、二十三年に、夫々、句集『月桂樹』『探梅行』『寒の薔薇』を上梓した。これらの句は、何れも俳誌「萬緑」に掲載されたものである。前記二句集は、中村草田男師、成田千空師の選をうけたものである(中略)今回、その後の句を纏めようとしたが、句歴を振り返る意味もあり、先の三句集より選び、それらとその後の句を併せ、纏めてみた。

「あとがき」より
暮し掬ひて

【その他】
句集/暮し掬ひて
著者/山下厚子
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

丁寧に日々の暮しを掬ひては日記代りの歌詠み継がむ

生前、夫は私の短歌や俳句を手作りの本にしたいと言い出し、製本関係の書物を読んでは表紙用の紙、印刷用紙等とあれこれ買い集めたりしていたが、その思いを実現出来ぬまま旅立ってしまった。積まれたままの材料を目にするたびに、何とかしなくては・・・という思いに駆られるようになった。八十路を歩み出した身にはかなりの重荷ではあるが、夫の思いを形にしようと思い立った。

「あとがき」より
雁渡

【オリジナル句集】
句集/雁渡
著者/久川久枝
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

雁渡し身の節節に音を生む

久枝さんは若々しい句を詠まれて周囲を感嘆させることがあります。俳諧味をこなして、肩肘を張らない作風は万物への思いやりが厚く、あたたかい個性を思わせます。

古賀雪江
風韻

【オリジナル句集】
句集/風韻
著者/大井東一路
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

燃ゆるもの欲し冬空を朱く塗り

「冬空を朱く塗り」と続けたところが東一路さんらしい。「朱く塗り」が生への意気込みを感じさせ、作者の前向きの人生態度を思わせる。90歳を越えた今、東一路さんは何に情熱を注ぎ込むのだろう。俳句だと思う。

大串 章
不思議の国

【俳句ライブラリー】
句集/不思議の国
著者/萩山栄一
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

太陽の最期の色で柿落ちる

萩山にとっておもしろくて仕方がない俳句-その集積がここに世に出ることの意義は大きい。もしかして著者には”口語俳句第二の出発”の旗手を期待してよいのかもしれない。

田中 陽