新刊情報 – ページ 111

  • HOME
  • 新刊情報 – ページ 111
蜷の道

【イカロス選書】
句集/蜷の道
著者/高橋将夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

田一枚知り尽くさんと蜷の道

畦を越えれば隣の田圃がある。この宇宙の外には他の宇宙がいくつもあるらしい。俳句の世界にもまだまだ未知の世界がありそうな気がする。俳句を知り尽くすという夏炉冬扇の夢を追い続けられたら本望と思っている。

「あとがき」より
月あがるまで

【その他】
句集/月あがるまで
著者/松井恭子
判型/A5版上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

ていねいに写真機みがく原爆忌

『月あがるまで』は四冊目の句集になります。俳句と写真を組み合わせた句集としては『薄氷』(平十八)についで二冊目の試みとなりました。(中略)これからも海外で撮影した写真と国内で昨句した俳句の、通い合う想像力や感動を生みだすコラボレーションを大切にしながら、楽しんでゆきたいと思います。

「あとがき」より
千年桜

【オリジナル句集】
句集/千年桜
著者/秋川ハルミ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

支へられ千年桜枝垂れけり

秋川さんの句は、初期の頃から、写生がしっかりしていて、表現に破綻がない。カメラで写真をとるように、興味を惹かれたことだけを句にするので、それが自然に写生力の向上に役立ったのだと思う。海外詠ばかりでなく、国内詠でも旅の句に佳吟が多い。

高橋悦男
葱坊主

【平成俳人叢書】
句集/葱坊主
著者/杉 直樹
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

西ひがし教へを乞ふや葱坊主

傘寿を記念しての第一句集。「青雲」終刊後、平成十七年「鹿火屋」に入会。以後、平成二十七年までの間に詠んだ中から、三〇〇句を厳選収録。

旅鞄

【オリジナル句集】
句集/旅鞄
著者/石橋みちこ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

子安講は笑つてばかり蓬餅

市井に哀歓とともに生きる女人たちを屈託なく描写したこの句の息遣いはどうだろう。さながらに子安講の神さま木花開耶姫(このはなのさくやひめ)が、祀られたままに偕に笑いさんざめいているかのようだ。まことに一箇の春の風味のような嬉しい一句だ。

横澤放川
冬銀河

【俳句ライブラリー】
句集/冬銀河
著者/江藤多伎
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

妻の座を捨てし流転の冬銀河

作者の強靭な意志は、まさに流転の人生によって与えられたものであろう。人生の深淵の闇をいくたびも潜り抜けたことによって、付与されたものに違いない。光を求めて、作者は今も歩み続ける。

松永唯道