新刊情報 – ページ 106

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万巻の書

【オリジナル句集】
句集/万巻の書
著者/米村分水嶺
判型/四六判並製/カバー装
価格/2200円(税抜き)

秋来たる万巻の書の一頁

句集名『万巻の書』は、読書人、教養人である作者に似合っており、所を得た名といえる。漱石に心酔し、勉学に励んだ在りし日の作者の姿が垣間見えるようである。この句文集を米村さんの人生の分水嶺と喩えてみれば、この分水嶺からはさまざまな作者の思いの水脈が流れているのがわかる。たしかに句集というものは、俳人の分水嶺なのだ、と私は初めて気づいた次第である。

河内静魚
続 芽ぶき

【オリジナル句集】
句集/続 芽ぶき
著者/草本美沙
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

一山をゆさぶつてゐる木の芽風

「・・・・・今の世、ともすれば薄れゆく感受性を豊かにするのは自然に相対し自然を詠じるのが一番手っ取り早い道ではなかろうか?自然の中には人間も入る。リーダーに育つ人ほど競争社会で和みも必要という気分を知って貰いたい」とう願ってきた。

「あとがき」より
曼珠沙華

【オリジナル句集】
句集/曼珠沙華
著者/藤田せつ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

心音と心音重ねうさぎ抱く

相手の心におのれの心を重ねることが、愛するということの本当の姿であろう。相手の心になって接するということ。せつさん自身のまぎれもない実感によって得られた句が、愛というものの本質に迫っている。

松浦加古
雁のころ

【オリジナル句集】
句集/雁のころ
著者/木野泰男
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

遠き灯の疾き瞬きも雁のころ

抒情性あふれる自然詠の多いこの句集の雰囲気を集約しているような一句である。一口で云えば、風景抒情がこの作家の本領であろう。だが、二十八年に入ると、氏の作風は大きな変容を遂げレトリックを意識的に排し、主情をつとめて抑え、即物・即事への志向を強めるなど、境地の深まりを示している。氏のこれからを、大いに期待する所以である。

黛 執
多摩野

【オリジナル句集】
句集/多摩野
著者/川上呉郎
判型/変形判/上製函入り
価格/2000円(税抜き)

風鈴や多摩野に妻と子と猫と

句集名は、現在居住し、おそらく終の住処になるであろう地「多摩野」によりました。私の住む小平市は、その中心近くで、急速に都市化して来ましたが、まだ、「多摩野」の影は残っています。

「あとがき」より
龍彦

【オリジナル句集】
句集/龍彦
著者/山下美典
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

先駆けの使命を持ちて蕗の薹

昭和三年生れの辰年であり、今年の立冬の日に米寿を迎える事となったので、干支に因んで名付けたのではあるが、あくまで「龍」と呼ぶ架空の動物が好きなものだから、句集はその名を引用したのである。

「あとがき」より