め〜る一行詩 優秀作品 2016年4月

 誰彼に逢ひたくなりし魚上氷     今村征一
 草萌やスキップの子とすれ違ふ    河童
 末黒野やうぶすなの鐘かすかなる   小野恭子
 何となく降り立ち歩く春の駅     堀ノ内和夫
 東京に愛ゆゑ孕む猫もがな      牟礼鯨
 野山にも彩り戻る春時雨       海野清孝
 花筏伴に乗りたき人がゐる      孝雄
 ひとかどの人にうつされ春の風邪   雅風
 伐られたる花守の手の哲学書     伊藤衒叟
 初蝶の迷へる海の波折りかな     北山日路地
 梅は白つばき一重の藪椿       佐藤日田路
 さりげなくグルメ本置くホワイトデー 幸野蒲公英
 ふところに空のありけり蓬餅     廣島佑亮
 捌かれし針魚骨まで透きとほる    野島正則
 赤青青青青青春一番         丹治拓未
 膝頭寄せて覗くやチューリップ    丸山きよ子
 春雨と思うて聞いてゐたりけり    神保と志ゆき
 嫁ぐ子を送るがごとく雛納む     柴田獨鬼
 君とゐてひとりを想ふ花の雨     鈴木眞由美

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