2017 年 01 月号より
国宝「鳥獣戯画」展を観た。九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開催された「京都高山寺と名恵上人」展に合わせて特別公開されたもので、開催期間ぎりぎりに足を運ぶことができた。小川で水遊びをする鬼や猿、相撲に興じる蛙と鬼など擬人化された動物たちが生き生きと描かれていて、いつまで見ても飽きない。俳句の世界で「鳥獣戯画」といえば、鈴木榮子さんを語らずして素通りはできない。鈴木(以下敬称略)が「鳥獣戯画」によって角川俳句賞を受賞したのが七二年。その六年後、受賞作を含めた処女句集『鳥獣戯画』により俳人協会新人賞を受賞。その反響は大きかった。戦後の俳壇で鈴木ほど華やかにデビューした人を私はほかに知らない。句集『鳥獣戯画』が日本文化の豊饒さと日本語の美しさを後世に伝承した功績は大である。〈北山時雨きて鳥獣の国濡らす 榮子〉
2016 年 12 月号より
ある調査会社によると、書籍と雑誌を合わせた出版物の2015年度の販売はピークだった1996年の六割弱まで縮小しているという。特に深刻なのはこれまで出版界を支えてきた雑誌の売上高が書籍を下回ったのである。昨年四月、日本経済新聞に「伝統の角川書店消滅」という記事が出たときは我が目を疑った。IT企業ドワンゴに買収された角川書店はKADOKAWAに変わり、編集機能を集約し人員整理するという策に打って出た。角川だけではない。大手出版社から発行されていた文芸誌が次々廃刊に追い込まれている。さて、読者の皆さんはお気づきだろうか。小誌の取扱書店が十一月号から約100店ふえました。(月刊『俳句界』12月号255頁参照)。これは雑誌流通の大手、トーハンの協力によるもので、月刊「俳句界」の今後の出版に心強い追い風となった。深謝。
2016 年 11 月号より
莫大な資産を手にしたがために骨肉の争いに巻き込まれるという話をたびたび聞く。最近の例では、大塚家具の大塚久美子社長と創業者勝久氏との親子ゲンカ。経営権争いに負けた勝久氏は大塚家具を退陣。そこで終焉とはならなかった。勝久氏が率いる「匠大塚」が新開店した。娘久美子氏の大塚家具から数百メートルしか離れていない。ガチンコ出店だ。もう一つのお家騒動は韓国。財閥ロッテグループの兄弟ゲンカ。最初に仕掛けたのは会長の重光昭夫氏。グループの副会長で兄の宏之氏追放を巡って告訴。泥沼化した争いで傷ついた企業イメージの悪化は避けられない。儒教の国韓国では弟が"お兄ちゃん"を提訴することなど絶対にありえない。ましてや娘がテレビカメラの前で父親を罵倒するとはー。嗚呼、日本よ韓国よ。家族愛の強き民族であれと願うや切。
2016 年 10 月号より
二ヶ月ほど前の日本経済新聞に「人生に、文学を。」という一面広告が載った。おもしろい広告だと思って、その頁を切り取り机の横に貼ってある。毎日、その広告を眺めながら「人生に、媚薬を。」「人生に、焼酎を。」などと勝手なことを考えて楽しんでいた。ところがこの広告コピーがブログで顰蹙を買っているという。そのコピーとは「文学を知らなければ、目に見えるものしか見えないじゃないか。文学を知らなければどうやって人生を想像するのだ(アニメか?)」――このアニメか? の一言にアニメファンが嚙み付いた。あらためて読み返してみるとプロの文章としては上等とは言えない。文学様がアニメを見下ろしているような発想は一種の思い上がりである。芥川賞や直木賞に選ばれる作品よりも、地方の同人誌に発表され無名のままで忘れられていく作品こそが真の文学であると私は思う。
2016 年 09 月号より
七月七日に永六輔さんが、七月十二日に大橋巨泉さんが亡くなられた。永六輔さん八十三歳、大橋巨泉さん八十二歳の生涯だった。永さんも巨泉さんも俳句が大好きで「巨泉」という名は俳号であったという。巨泉さんにお会いしたことはないが、永さんとはなんどか酒を酌み交わした。話題はいつも俳句であった。十年ほど前、小誌で文人の肉筆俳句を掲載する企画を立てたとき、永さんは画用紙二枚に俳句九句を書いて送ってくださった。その原稿がまるで絵のように美しい。句の内容によって毛筆、竹ペン、万年筆、ボールペン、鉛筆などを使いわけている。私はこの原稿がどうしても欲しいと思い、編集長を通してその旨を伝えてもらった。数日後、永さんから電話があり、原稿を進呈するかわりにオレ(永さん)のラジオ番組で対談してくれという。放送時間九十分は俳句の話で盛り上がった。
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