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明石晃随筆集『朝比奈日記』


最近、文學の森で刊行した書籍の中で、最もぶ厚い本となりました。定規で測ってみると、3.5センチほどあり、ページ数は580ページです。

今回は、明石晃一著『朝比奈日記』をご紹介します。分厚い書籍は、読書好きにとっては、嬉しいものという話を聞いたことがあります。

装丁の絵は、竹林に日が射し、竹の葉の緑が、黄色になるまで光を帯びています。帯は、竹林の絵と同系色、装丁画に寄り添う上品な和紙が使われています。序文は、9月26日に亡くなられた伊藤通明先生によるものです。おそらく、最後の序文になったのではないでしょうか。

明石晃一様は、安住敦先生の「春燈」に在籍され、通明先生が「白桃」を創刊、主宰されてから「白桃」に参加されました。この朝比奈日記は、結社誌「白桃」に20年間連載されたエッセイをまとめられたものです。

句の引用から、季語のこと、著者の日常での出来事、生活の中のわずかな気付きなどの文章が綴られています。「雨の季節にて」というエッセイでは、桂信子の「何の荷ともなく背に負ふて梅雨に入る」という句から、鏑木清方の「緑の雨」という随筆を引用し、宇多喜代子、山本健吉の「雨の文学」という小文、飯田龍太の句を引用し、雨の情緒を著者なりに描いています。初めのエッセイから、最後のエッセイまで、20年も経っていますが、時が流れれても不変なものがあることを教えてくれます。秋の夜長にゆっくりと通読したいエッセイ集です。(Web/映像担当)

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