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近藤真由美句集『星ひとつ』


本日、ご紹介する句集は、近藤真由美著『星ひとつ』です。文庫版サイズですが、ビニール装丁は、最も耐年性がありますので、ずっと長く保存することができます。

真珠色の和紙に、藍色の四角がほどこされ、中に金文字で句集名が書かれ、著者名などは白文字で書かれています。よくある書籍と較べて、中身の紙は、分厚いものが使われています。以下、帯の句になります。

曲がれば蛇に会い真っ直ぐは夢の途中
特攻の祖父の遺志継ぐ夏の森
道の上言葉は銀河になりたがる
名を探す道はひとつか十三夜
腐った林檎捨てるが勝ち
星ひとつあなたの空へ落穂拾い
冬銀河ひびけ無数のバイオリン

冬銀河とバイオリンの取り合わせは、童話のようです。無数とくると、まだバイオリンを始めたばかりの子どもなどの音もその中にありそうですね。著者の近藤真由美様は、埼玉県のご出身で、「路」を経て、「海程」で俳句に励んでおられます。この句集名は、金子兜太先生の選んで頂いたものからとられたそうです。(Web/映像担当)

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明石晃随筆集『朝比奈日記』


最近、文學の森で刊行した書籍の中で、最もぶ厚い本となりました。定規で測ってみると、3.5センチほどあり、ページ数は580ページです。

今回は、明石晃一著『朝比奈日記』をご紹介します。分厚い書籍は、読書好きにとっては、嬉しいものという話を聞いたことがあります。

装丁の絵は、竹林に日が射し、竹の葉の緑が、黄色になるまで光を帯びています。帯は、竹林の絵と同系色、装丁画に寄り添う上品な和紙が使われています。序文は、9月26日に亡くなられた伊藤通明先生によるものです。おそらく、最後の序文になったのではないでしょうか。

明石晃一様は、安住敦先生の「春燈」に在籍され、通明先生が「白桃」を創刊、主宰されてから「白桃」に参加されました。この朝比奈日記は、結社誌「白桃」に20年間連載されたエッセイをまとめられたものです。

句の引用から、季語のこと、著者の日常での出来事、生活の中のわずかな気付きなどの文章が綴られています。「雨の季節にて」というエッセイでは、桂信子の「何の荷ともなく背に負ふて梅雨に入る」という句から、鏑木清方の「緑の雨」という随筆を引用し、宇多喜代子、山本健吉の「雨の文学」という小文、飯田龍太の句を引用し、雨の情緒を著者なりに描いています。初めのエッセイから、最後のエッセイまで、20年も経っていますが、時が流れれても不変なものがあることを教えてくれます。秋の夜長にゆっくりと通読したいエッセイ集です。(Web/映像担当)

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藤井あかり句集『封緘』


本日、ご紹介する句集は、藤井あかりさんの句集『封緘』です。封緘とは、手紙や文書などの封をとじること、また、そのもの、封のことをいうのだそうです。

藤井あかりさんは、第五回の北斗賞を受賞されました。北斗賞の選者、橋本榮治さんは、「人が見てないもの、人が見ていても俳句にならないと捨ててしまうものを丁寧に拾っている。肩に力の入って居ない作句を自然に出来ているとしたら、天然の才能があり、意識的に肩に力の入っていない作句をしているのだとしたら、作家魂がある」と授賞式で評されました。ページ数は、180ページほどで、装丁は、白を基調にして抑えられた光沢があり、上品な金文字で句集名、著者名などが記されています。

己が手のふと恐ろしき焚火かな
柿落葉大切になる前に捨つ
窓に凭りいつしか春の雨に凭り
人のみな通りすがりや黄水仙
硝子砕けて昼顔の映りゐる
蟻運ぶ物のみるみる褪せにけり
人悼む胸の遠浅つくつくし
聞きながら邯鄲の音を忘れゆく
言の葉は水漬いてゆく葉冬の鳥

この句集には、序文の代わりに序句として石田郷子主宰の句「水仙や口ごたへして頼もしく」という句が載っています。著者と郷子主宰との関係が想像されます。

(Web/映像担当)

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